夏の花「ヒオウギ」はいにしえの花
花のお手入れ 2017年8月7日
「ヒオウギ」は、古来より日本で親しまれてきた古典植物です。
花は朝に開花し、夕方に萎む一日花です。
耐寒性、耐暑性に優れた多年草で、花期は7~8月、まれに晩秋に花が咲いていることがあります。
庭植えでは、とくに手入れが要らず自然栽培可能です。
夏の花の少ない時季に咲く「ひおうぎ」は、雑木の庭のみどりと、ほどよくマッチします。
私は郷愁をさそう、この「ヒオウギ」なぜかとても好きな花です。
「檜扇」とも書き、その名のとおり葉が扇面のようだからとも言われています。
10月になると鞘(さや)が茶色になり、裂けた鞘から熟した黒真珠のようにツヤのある5㍉ほどの実(種子)が無数現れます。
この黒い実を採取し、直播すると翌年芽をだし2~3年で花がつきます。
この黒い実が、万葉集に詠まれている歌の、夜、髪、月、夢などにかかる枕詞の「ぬばたま」なんですね。
万葉集におさめられている歌に「射干玉(ぬばたま)」という枕詞のある幾首かの歌がありました。
「ぬばたまの 夜のふけゆけば 久木生ふる 清き川原に 千鳥しば鳴く」
詠み人 山部赤人
「ヒオウギ」の咲くいにしえの夏に思いを馳せて、、感慨もひとしおの草花です。
※ うちガーデン「伝えたい日々のこと」8月6日、パッションフルーツ記事も併せてご覧ください。
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